投稿日:2022.02.21
きっと誰かに話したくなる~ コーヒー豆知識
暮らしのヒント
毎日欠かさず飲む、という方も多いコーヒー。専門店のおいしいコーヒーを自宅でも飲めたら...と思いませんか?
今回は、コーヒーをよりおいしく楽しむための豆知識から、おいしい淹れ方まで、コーヒーのプロに教えていただきました。
コーヒー大好きな方も、実はちょっと苦手という方も
奥が深くて面白い!きっと誰かに教えたくなる?コーヒーにまつわるエトセトラにちょっと耳を傾けてみてくださいね。
今更聞けない?よく聞く用語
コーヒーのうんちくを聞くとき、必ず耳にする用語があります。
言葉の意味はわかっていても、それがコーヒーの味の違いにどう現れてくるのか気になりませんか?
コーヒー用語を解説していただきながら、味の違いも聞いてみました。
焙煎(ロースト)
焙煎とは豆を煎る作業のこと。
大きく分けると、浅煎り・中煎り・中深煎り・深煎りの4つに分けられ、
浅いほど香りや酸味が感じられ、深くなるほど香ばしさや苦みが強くなり、コクや甘み、余韻が楽しめます。
一番左が深煎りで黒に近い深い茶色です。
右に行くにしたがって、中深煎り→中煎り→浅煎りとなり、
だんだん明るい茶色になっていきます。
ポイント!
近年は豆の品質が上がり、産地ごとの良さ、素材そのものの味の違いが楽しめるようになりました。
焙煎の度合いは、コーヒーの味わいに大きく影響します。
浅い方がより違いが分かりやすいので、何が良いかわからない方は浅煎りからまず楽しんでみては?
挽き方
豆の挽き具合により、細挽き・中細挽き・中挽き・粗挽きなどに分けられます。
コーヒーを飲むときは、まず自分でミルするところから始める、という方も増えていますね。
写真を豆の挽き具合の参考にしてください。
細挽き
ポイント!
荒いほど渋みや苦みなどの雑味が出にくいですが、荒すぎても薄い味わいになってしまいます。
自宅で豆を挽く場合は、徐々に細かくしていって、苦みを感じたら少し荒めに戻しましょう。
豆の産地による味の違いは?
産地は大きく分けてアフリカ・南米・中米・アジアに分けられ
それぞれ個性のある味わいが楽しめます。
アフリカ産
有名なのはエチオピア産。香りが強く、酸味も感じられるので、ハマる方が多いです。
紅茶に近いフルーティな味わいが楽しめるので、コーヒーは苦手、という方にもおすすめ。
南米産
ブラジル・コロンビア・ペルーなどがあります。
苦みも強くなくマイルドな味わいで飲みやすいので、日常的に飲むのに適しています。
中米産
コスタリカ・エルサルバドル・メキシコなどです。
さわやかな酸味が持ち味。バランスの取れた味わいです。
アジア
マンデリン(スマトラ)・ベトナム・ネパールなど。
スパイシーだったり、ハーブのような味わいがあったりと、個性が強くすぐにわかります。
上級者向け、と言えるかもしれません。いつもの味に飽きたらチャレンジしてみてください。
おいしいハンドドリップの方法
では、自宅で美味しいコーヒーを淹れる方法をご紹介します。
このレシピを守れば、プロの味が楽しめます。お試しあれ。
●用意する道具
☆コーヒーミル
コーヒーは鮮度が大切。直前に豆を挽くとおいしさUP!
☆ドリッパー
浅煎りには円錐形、深煎りには台形がおすすめ。
☆サーバー
抽出したコーヒーが確認できるガラス製がおすすめ。
カップに直接でもOK。
☆ドリップケトル
お湯を注ぎたい場所に正確に注げるよう、注ぎ口が
細いケトルを用意します。
☆電子スケール
豆とお湯の量は味の決め手。きちんと計りましょう。
●おいしい淹れ方(1杯分)
電子スケールの上に器具を置き、重さを計りながら淹れるのがおすすめ。
【レシピ】
◎浅煎りコーヒー
・豆 15g
・お湯 240g(90~95℃)
※沸騰したお湯をいったん別の容器に入れてから使うと約90℃。
◎深煎り
・豆 17g
・お湯 240㏄(85~90℃)
1ドリッパーやカップにお湯をかけ温めます。
2豆をドリッパーに入れ、お湯を30g注ぎ、30~40秒蒸らします。
3豆がふっくらと盛り上がってきたら、お湯を70gずつ3回に分けて注ぎます(お湯は計240g)。
※浅煎りの場合、すべての粉をお湯に浸すようなイメージで注ぐと、華やかな香りを引き出せます。
※深煎りの場合、500円玉サイズで中央の粉だけにお湯を注ぎ、周りの土手を崩さないようにすると、
雑味が少なく、柔らかな苦みが引き出せます。
4浅煎りの場合は2分~2分半、深煎りの場合は2分半~3分の間で、
ドリッパー内のお湯がすべて落ち切ったらドリップ成功!
★お湯が落ちるのが早すぎる場合は、挽き目を細かくし、遅い場合は挽き目を粗く調整しましょう。
作業にかかっている時間と重さが表示される電子スケール。
こだわりたい方は、これを入手すると便利です。
そのほか、気になるあれこれ
●お湯の温度
85~95℃のお湯を使います。温度が低いと香りや酸味が出ず、ぼんやりとした味わいに。
高すぎると香りや酸味は出ますが、雑味も出てきます。
●器
使うカップの厚みでも味わいに差がでます。
厚みがあるほど、コクを感じやすいので深煎りには厚みのあるカップを。マグカップなどもいいですね。
ティーカップのような薄いカップは、香りが広がりやすくすっきりとした味わいになるので浅煎りにおすすめです。
●ミルクや砂糖
お好みで使ってください。入れる時は濃いめに入れた深煎りがおすすめです。
●お店で豆を買う場合
「コクがあって苦みがあるものがいい」「酸味がない方がいい」など好みをしっかり伝えましょう。
購入後は一週間以内に飲み切るのがおすすめ。飲み切れない場合は冷凍保存を。
豆は香りのカプセルです。
挽く前の豆の状態で冷凍した場合、使うときは解凍せず冷凍のまま挽いた方が香りが逃げません。
基本のレシピを守りながらいろいろ試して、自分のスタイルをみつけてくださいね。
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【取材協力】
ISLAND STONE COFFEE ROASTERS
阿部 寛史 さん
宇都宮市大谷町にある人気ロースターISLAND STONE COFFEE ROASTERS(アイランドストーンコーヒーロースターズ)店主。店内には自家焙煎機を備え、浅煎りから深煎りまで自家焙煎のコーヒーがそろいます。阿部さん自身は大学生時代にエチオピアコーヒーと出合い、飲み比べる面白さからコーヒーにハマっていったとか。「コーヒーの淹れ方、楽しみ方にルールはありません。コーヒーメーカーでもOKです。自分のスタイルで楽しんでください」